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【在留資格】デジタルノマドとビザ

【PCひとつで仕事をする旅人】

昨今注目を集めるデジタルノマドとは、「IT技術を活用し、場所に縛られず(国内外を問わず)、「ノマド(遊牧民)」のように旅をしながら仕事をする人達のこと。」である。※1 JTB総合研究所 観光用語集

つまり、PCひとつで場所にとらわれずにどこでも仕事ができる旅人である。

近年一般化しつつある「テレワーク」と同じではないかと思われるかもしれないが、旅をしながら好きな場所で仕事をするという”ライフスタイル”と言った方が適切と思われる。その自由な生き方に憧れを持つ若者は少なくない。デジタルノマドとして活躍するためのワークショップもある。

【デジタルノマドビザの増加】

こうしたデジタルノマドは比較的所得が高い傾向にあり、長期滞在も見られることから、デジタルノマド専用の”デジタルノマドビザ”を創設して施策としてデジタルノマドを積極的に受け入れる国・地域が増えている。※2 JTB総合研究所 世界を旅するデジタルノマドの誘致可能性を考える

例えば「電子国家」として有名なエストニアは、2020年に世界初の「デジタルノマドビザ」を創設したと言われている。※3 JETRO ビジネス短信

また、ポルトガルでは、最初の1年間で8,000人の村ポンタ・ド・ソルに6,000人のデジタルノマドを誘致することに成功したと言われている。※4 JETRO ビジネス短信

韓国でも今年3月、”デジタルノマドビザ”を創設することを決定した。※5 トラベルボイス

今日現在、40カ国以上もの国・地域でデジタルノマドビザが認められている。

各国のデジタルノマドビザにおおむね共通する特徴を挙げるとすれば、以下のようなものと理解できる。

  • 短期の観光ビザとは異なり、半年〜1年あるいは2年程度の長期滞在が可能。
  • 一定の収入や資産をビザ発給の要件としている国・地域が多い。

【デジタルノマドビザ、日本では】

こうした”デジタルノマドビザ”に相当する在留資格は、今日現在、日本では作られていない。

一般的には観光ビザ(短期滞在)などで来ていると思われるが、最長90日までの滞在期間、就労が認められていないなど、ニーズと制度がマッチしていない状況が続いている。

旅行者が旅先でPCやスマートフォンなどを利用することは今は当たり前の時代と言える。

インターネット回線の高速化、街中のWi-fiの充実、PCの高性能化、そしてパンデミックの影響により「テレワーク」が一般的になったこともデジタルノマドの広がりに影響があったものと推察される。

デジタルノマドビザが日本で作られた場合、観光地における経済効果に大きな期待がかかる。

現在、RULEMAKERS DAOという組織で、デジタルノマドビザ創設に向けての議論が活発になっている。筆者もそこのメンバーとして参加している。今後の動向に注目してほしい。

(加々美)

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