メタバース×許認可

行政書士がなぜ”メタバース”に関わるか

行政書士はこれまで行政に対する許認可等の手続に関わり、その申請書類の作成・提出を業務としてまいりました。その業務の多くは紙の申請書類のやりとりが一般的で、近年では行政手続のデジタル化に伴い徐々にオンラインによる申請が増加しつつあり、行政書士の業務にも変革が求められています。

一方、昨今のVR,ARの技術の発展はめざましく、頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ(HMD)やPCの性能の向上、アバターなどのコンテンツの増加、大手企業の参入により、いわゆる”メタバース”における社会生活・経済活動への期待が高まっているといえるでしょう。

これにより、今後増加・多様化するメタバースにおける行政規制も無視できず、行政手続がメタバースに影響し、あるいはメタバースが行政手続に影響するという、両面からの視点が重要になると考えます。

現行法の規制を把握しつつ、先行するメタバースの活動への規制の適用も把握し、場合によっては許認可の手続をサポートすることは行政書士に課された重要な責務です。

また、行政書士としてこれまでの紙やモニター越しの手続に加え、メタバース内での手続が将来的に可能になることを予想しております。

そのため、当事務所では、VRChatClusterなどの”ソーシャルVR”と呼ばれる3D仮想空間プラットフォームでの活動を行い、増加するメタバースのニーズをいち早くキャッチアップしております。

※なお、”メタバース”は様々な観点からの定義がありうるところですが、弊所では以下の7要件を満たすものを”メタバース”とする見解に従います。(参照:「メタバース進化論」(バーチャル美少女ねむ,2022,技術評論社)①空間性、②自己同一性、③大規模同時接続性、④創造性、⑤経済性、⑥アクセス性、⑦没入性

現状でのメタバースに関連する可能性のある規制(許認可)

以下は、現状でメタバースでの活動にかかる規制に関して問題となりうる許認可の一部です。

現状はVRプラットフォームの規約で営利活動が行えない・不明確、運営会社との契約が必要、決済手段がないなどのために無償提供の活動も多く見られ、全てが規制対象となるわけではありませんが、いずれにしてもメタバースでの活動では許認可・届出が必要でないか確認する必要があります。

・プラットフォーム上での資金のやりとり(為替取引等):資金決済法における資金移動業の登録等

・DAOの設立・運営:営業に伴う各種営業許認可・届出

・デジタルプラットフォームの提供:DPF透明化法におけるデジタルプラットフォーム提供者の届出

・チャット機能などの実装:電気通信事業法における電気通信事業の登録・届出

・バーチャル/アバターワークの職業紹介・情報提供:職業安定法における職業紹介事業の許可・届出、特定募集情報等提供事業の届出

・VRによる性風俗サービス:風俗営業法における映像送信型性風俗特殊営業の届出

・出会い系サイト:出会い系サイト規制法におけるインターネット異性紹介事業の届出

・外国人がメタバースで行う就労活動:入管法における在留資格変更許可等

この他にも、営業・活動形態により行政規制があり得るところです。

現在は黎明期とも言われるメタバースにおいて、今後様々な法規制との衝突やグレーゾーンの判断が必要になることでしょう。

なお、以下は許認可そのものではありませんが、メタバースでの取引がある場合に問題になりうる法律の一部です。日本で活動の一部が行われる場合は日本の法規制が及ぶ可能性があり、注意が必要です。場合によって他国の法規制の適用も考えられます。さらに、各プラットフォームの利用規約・ガイドラインも無視できないものとなります。

・著作権法

・特許法

・特定商取引法

・消費者契約法

・電子消費者契約法

・取引DPF法

・景品表示法

・不正競争防止法

・下請法

・労働基準法等の労働法

・個人情報保護法

・法の適用に関する通則法

VRChat : Terms of service

VRChat : Community Guidelines

VRChat : Our Policy on NFTs and Blockchain in VRChat

Cluster : 利用規約

Cluster : コミュニティガイドライン

Cluster : 法人利用・営利利用のガイドライン

・・・など。

メタバースの許認可は当事務所にご相談ください

以上のように、メタバース、特にソーシャルVRと呼ばれる3Dの仮想空間での活動には、現状の法規制が及ぶ場合とそうでない場合、またはグレーな場合があります。

当事務所は許認可申請を行うだけでなく、特定行政書士として法規制全体を見てアドバイスさせていただきます。多方面・複雑な案件では、HIGASIS projectでの弁護士等との協働により対応可能です。

また、当事務所の代表の加々美は、VRChatでのアバター、ワールドの制作(アセット・ギミックについてはクリエイター様からの購入等含みます)や定期イベントの主催の経験もあり、ユーザー、クリエイターの視点も踏まえてより実務的なアドバイスが可能です。

メタバースでの外国人就労・在留資格、営業許認可は当事務所にご相談ください。