行政書士セカンド・オピニオン
医療の世界では、「セカンド・オピニオン」、つまり、「患者さんが納得のいく治療法を選択することができるように、治療の進行状況、次の段階の治療選択などについて、現在診療を受けている担当医とは別に、違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めること」という考え方があります。
私は医療従事者ではないので、どこまでこの概念を理解できているかはわかりませんが、行政書士の場合でも、ひとつの事案に対して三者三様異なる見解となるケースがあり、「セカンド・オピニオン」のような第2の意見を得ることが重要なときがあります。
どれほど経験を積んでも、あらゆる法制度の100%全てを理解することは不可能ですし、方針も行政書士それぞれで異なる場合も十分にあり得ます。
こと、外国人の入管業務に関しては、行政書士の力量が反映されやすい分野です。
(少なくとも当事務所では)頻繁な法改正、複雑な法律相互の適用・関連、ガイドラインなどの改訂、入管行政の内部処理の変容など、膨大な情報を把握して事案処理にあたることになります。
とりわけ入管業務は人や企業ごとに事案が異なります。一つとして全く同じということはなく、ご本人の希望がどこにあるのか、事案のポイントはどこにあり、どのような処理が望ましいのか、それは事案に対する行政書士の判断によっても変わりうるところです。
さて、こうした入管業務において私自身も「セカンド・オピニオン」を否定しておりません。(他の許認可についても同様です)
当事務所の説明にご納得いただけないようでしたら、他の事務所や弁護士への相談もしてみてはいかがでしょうかと、セカンド・オピニオンをお勧めすることもあります。
ご相談者様と行政書士の信頼関係があってこそのご依頼と考えておりますので、無理にご納得いただく(したつもりになる)ことはお互いにとって良い結果に結びつかないでしょう。
セカンド・オピニオンによってご相談者様のご希望に添い、かつ、適正な結果が得らることは、ご依頼者様の利益となり望ましい状態といえます。
ちなみに、
「他の会社ではあの在留資格であんな業務を外国人にさせている。なぜあなたは我が社ではダメと言うのか」とお叱りの言葉を頂くことは少なくありません。
その他の会社が適正な就労をさせているのかどうかは、当事務所が関与していない以上不用意な意見は出せません。(関与していても守秘義務の問題もあります)
あらゆる法の規制やいざというときのリスクも踏まえ、当事務所の判断として提案する内容が、どれほど丁寧にご説明差し上げても、ご相談者様にとっては納得し難いものである場合もあります。
周囲の状況がどうあれ、目の前の相談者様のご希望と事情を勘案し、何が最善かをとことん考えた上で、最終的に「ダメなものはダメ」と言うことも、私自身の使命であり、当事務所の方針でもあります。
(加々美)