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「地下銀行」

お金を海外に送金する際、銀行や資金移動業者を利用するのが通常です。


しかし、許認可を得た銀行や資金移動業者などの正規の機関ではなく、いわゆる「地下銀行」と呼ばれる者を利用してしまうケースがあります。

海外にいる知人などと結託し、無免許・無登録で海外への送金(為替取引)などの業務を行う事業が、いわゆる「地下銀行」です。


なぜ、このような「地下銀行」が存在するのでしょうか。

正規の銀行などでは、マネーロンダリングとテロ資金供与の防止の観点から、外国為替及び外国貿易法等の法律に基づき、本人確認が求められています。

そうすると、不法に滞在する外国人は正規の銀行などを使っての送金ができないため、無免許で銀行業を営む者に送金を依頼することで本人確認を回避するのです。

また、送金手数料も安価であったり、送金までの期間が比較的短いといったメリットもあるため、「地下銀行」が営まれるというわけです。

不法に滞在している外国人でなく、正規滞在の外国人であっても、上記のメリットから「地下銀行」を利用してしまうこともあるようです。

無免許・無登録で銀行業を営むと、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその両方が課されます。

海外送金では正規の銀行などを利用しましょう。絶対に「地下銀行」を営んだり、利用をしないでください。

※追記(2021/09/23 23:20)

金融庁より、「外国人の方の預貯金口座・送金利用について」のご案内がありますのでご参照ください。

(加々美)

関係法令

銀行法

第二条 この法律において「銀行」とは、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けて銀行業を営む者をいう。

 この法律において「銀行業」とは、次に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。

 預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け又は手形の割引とを併せ行うこと。

 為替取引を行うこと。

第四条 銀行業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、営むことができない。

第六十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 第四条第一項の規定に違反して、免許を受けないで銀行業を営んだ者

資金決済に関する法律

第二条

 この法律において「資金移動業」とは、銀行等以外の者が為替取引を業として営むことをいう。

 この法律において「資金移動業者」とは、第三十七条の登録を受けた者をいう。

第三十七条 内閣総理大臣の登録を受けた者は、銀行法第四条第一項及び第四十七条第一項の規定にかかわらず、資金移動業を営むことができる。

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