【公共】「グレーゾーン解消制度」の活用
新しい事業を始めるときに、その新規性ゆえに、法律の規制がかかるのかハッキリしない場合があります。
法律はその制定された社会的状況で、どのようなケースに適用させるのかを想定しながら条文の文言などを決めて作られます。しかし、その法律を作ったときには想定していなかったことが時代の変化により起こることがあります。新しい事業に法律の規制がかかるのかが明確でなく、そのまま事業を進めて良いのかわからないような場面。それで新しい事業アイディアを実現することを諦めてしまったり、適法と判断して進めたのに、後になって違法だと行政から指摘されて事業を撤退、最悪の場合には処罰されるといったことも起こりえます。
そうした法規制の解釈や適用の有無の「グレーゾーン」の解釈・適用を、あらかじめ行政に確認してもらい、安心して新事業を進めるようにするためのツールが「グレーゾーン解消制度」です。
https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin
グレーゾーン解消制度は、産業競争力強化法という法律に基づいた経済産業省が所管する制度です。経済産業省が窓口となって複数の規制について各省庁と調整を行ってもらえるため、煩雑な行政間の調整の負担を軽減できます。この制度は平成25年からスタートしていますが、この制度に似たものとして、平成13年からスタートした「法令適用事前確認手続」(いわゆる日本版ノーアクションレター制度)があります。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/kakunin/index.html
ノーアクションレターも事業活動にかかる法規制の適用の有無について確認する制度ですが、グレーゾーン解消制度とは異なり、総務省が所管する制度で、確認できる対象としては申請に対する処分の根拠を定めるものであって、当該条項に違反する行為が罰則の対象となる場合など一定のものに限られます。
こうしてみるとグレーゾーン解消制度の方が優れて見え、ノーアクションレターを利用する場面はないようにも思われますが、ノーアクションレターが新事業に限定されないことと、経済産業省を経由せず、規制を所管する省庁(つまり法規制について情報を持っている省庁)に直接確認できるメリットがあることから、グレーゾーン解消制度とノーアクションレターのいずれを利用するべきかはケースバイケースと言えます。
政府では、こうしたツールを含めた規制対応・規制改革への参画の相談窓口を設けており、経験豊富な弁護士の先生方などからの意見をいただきながら計画を進めることができます。
当事務所でもグレーゾーン解消制度の申請をはじめとしたルールメイキングに関する相談をお受けしております。特に当事務所は、入管法制・在留手続や、観光系営業許認可に関する行政規制・行政手続について、行政書士として申請等の実務経験を有していることを強みとしています。複雑で多岐にわたる事業・法規制の場合には、これまでのルールメイキングの実践で培われた各公共政策・法律専門家とのネットワークを通じて、各省庁やロビイスト、弁護士の先生方らとの連携を行いながら、新事業の実現と挑戦をサポートいたします。
(加々美)